一人百物語第13 夜 ポスター2 その2

そのポスター、顔色の悪い妙な男がこちらを向いて不敵に笑っているんです。

なんでこんなポスター貼ってあるのかなあ?せっかくの夜景が台無しじゃないか
そもそも何のポスターかすら分からない。何も書いてない。

仕方がないのでその人、もう寝ることにした。
次の日、仕事に行って、一日働いて疲れて帰って来た。
フロントでカギを受け取って、エレベーターに乗る。
昨日と同じように赤絨毯の廊下を歩いて行く。
そろそろ自分の部屋だというときに、向こうから客室係と思われる婆さんが歩いて来る。

いらっしゃいませ。どうぞごゆっくり。
どうもありがとう。

と返して扉を開けようとすると、

お客さん

と呼ぶ声がするので振り返るとさっきの婆さん。

そちらの部屋にお泊まりですか?

え?あ、はい。

その人言うと、

悪いことはいいませんから、窓だけは開けないでおいてください。

と。

変なことを言う婆さんだなぁと思いながらも、

はぁ。分かりました。

と返事して、部屋の中に入っちゃった。で、シャワーして、さっぱりして、缶ビール。
そうだと思い立ってカーテンをしゃっと開けてみた・・・

その3 につづく